スタンディングデスクって買う価値ある?
スタンディングデスクで生産性は上がるの?
そもそも生産性って何?
この記事では、デスク投資の観点で「生産性」を定義します。その上で、スタンディングデスクへの投資が生産性向上に繋がることを説明します。
そもそも生産性とは何なのか
日本人は「生産性」という言葉が大好きです。
多くの人が、生産性UPのために時間の有効活用や便利ガジェット購入に勤しんでいます。
ところで「生産性」って何なのでしょうか?パッと言葉で説明できる人はいるでしょうか?まずは「生産性」の正体を捉えてから、スタンディングデスクによる生産性UPについて考えましょう。
日本生産性本部による「生産性」の定義
日本生産性本部という組織があるようです。「生産性」は次のように定義されています。
生産性の定義

つまり、投入したインプットに対する、産出されるアウトプットの比率が生産性というわけです。
また「生産性」には種類があり、大きく「物的生産性」と「付加価値生産性」に分けられています。
物的生産性の定義

付加価値生産性の定義

いずれも投入するインプットは「時間」であり、産出されるアウトプットが目に見える「モノ」なのか、目に見えない「付加価値」なのかによって区別されています。
これは、私たちの仕事のような、個人のデスク上での活動においても同じことが言えそうです。
デスクにおける「生産性」とは
デスクにおける生産活動は、「仕事」や「趣味」で考えると分かりやすいでしょう。

仕事や趣味で生み出す成果物が「アウトプット」です。
在宅ワーカーや自宅フリーランスの人であれば、企業内外に提出する資料や報告書、社内外の会議で行われる会話などがいわゆるアウトプットになります。また、デスクは「趣味の場所」にもなりますから、制作・発信したものやアイデアもアウトプットと言えます。
一方、デスクに向かっている時間が「インプット」です。
会社に出社する場合であれば、出社時間がインプットにあたります。在宅の場合は、仕事または趣味のためにデスクに向かっている時間がインプットに該当すると言えます。
スタンディングデスクで生産性向上する理由は3つ
上記を踏まえると、スタンディングデスクによって生産性する理由は次の3つです。
- 物的アウトプットが増えるから
- 付加価値アウトプットが増えるから
- デスク時間を有効活用できるから
では、これら3つの方法に対して、スタンディグデスクがどのように役立つのかを考えます。
1.スタンディングデスクで物的アウトプットが増える
日本生産性本部の「物的生産性」に値するアウトプットを、「物的アウトプット」と名づけました。これを増やせば生産性が大きくなるという考えです。

物的アウトプットとは
「物的アウトプット」とは、次のようなものを想定しています。
- 本業…資料作成、データ分析、報告書作成等
- 副業…記事ライティング、ブログ執筆、デザイン作成等
- 研究…研究結果分析、論文執筆等
- 学業…問題集解答、レポート作成等
- 趣味…制作、発信等

仕事に限らずどんな活動においても、手を動かして成果物を作成することを、ここでは「物的アウトプット」と呼ぶことにします。
立てば眠くても眠れない
物的アウトプットを増やす上で、「眠気」は大敵です。
昼食後などは、特に眠気に襲われやすい時間帯です。もしくは、追い込まれた日の深夜など、眠い目をこすってでも戦わなければならない時もあるかもしれません。
眠い時の対策はどうしているでしょうか?コーヒーやエナジードリンクを飲む、眠気覚ましのガムやタブレットを噛む、というようにカフェインを大量に摂取してしのいでいる方も多いはず。
しかし、カフェインの大量摂取は身体に良いとは言えません。特に定期的にカフェイン頼み生活を送っているのであれば、なおさら気をつけた方が良いでしょう。

その点、スタンディングデスクを導入すれば、「立つ」という対策方法を取れます。立ちながら寝るのはなかなか難しいものです。カフェイン大量摂取を避けながら、居眠り防止をして、アウトプットの量を増やすことができます。
イギリスのチェスター大学の研究によれば、昼食後座って作業する場合に比べて、立って作業すると食後の血糖値の変動が約43%弱まるという結果が出ています。
気合いではなく、血糖値の変動を抑えることで眠気対策ができるのは、スタンディングデスクの特権です。
立つと心身のリフレッシュ効果も
大林組技術研究所はお茶の水女子大学との共同研究の中で「スタンディングデスクの導入は、業務効率の向上や心身のリフレッシュに良い影響を与えている」と結論づけています。
特に、利用について肯定的な人ほど業務効率の向上や心身のリフレッシュに良い影響を与えており、全被験者の70%がスタンディングデスクの利用に満足していると示されています。
引用:大林組技術研究所「スタンディングデスク導入効果に関する研究」
2.スタンディングデスクで付加価値アウトプットが増える
こちらも日本生産性本部の「付加価値生産性」に対応するアウトプットを、「付加価値アウトプット」と呼ぶことにします。

付加価値アウトプットとは
「付加価値アウトプット」とは、次のようなものを想定しています。
- 本業…企画案の作成、資料の構想、顧客・上司との交渉等
- 副業…ブログ記事の構想、デザイン案の発想等
- 研究…研究テーマや分析手法の着想等
- 学業…解き方のひらめき、課題テーマ選択等
- 趣味…制作や発信のアイデア等

目には見えない価値あるものを構想したり思いついたりすることを「付加価値アウトプット」と呼ぶことにします。
時間があってもアイデアが浮かぶとは限らない
これらの「付加価値アウトプット」は、残念ながらかけた時間に比例しません。
仕事中、いい考えが思い付かないまま気づいたら3時間くらい経っていた…なんて経験ないでしょうか。
どんなにPCのタイピングが速くても、キーボードショートカットを暗記しても、時間短縮できないのが「付加価値アウトプット」なのです。
ではどうするかというと、むしろ時間短縮を頑張ろうとせず、付加価値を生み出す「工夫」を取り入れることが一つの解決策になるかもしれません。
立つ・座るを繰り返し、常に刺激を得られる
昇降式のスタンディングデスクは、「立つ」と「座る」両方の姿勢をとることができます。
座りっぱなし・立ちっぱなしの状態が続くと、体は凝り固まり、血流も滞ってしまいます。立つ・座るを繰り返し、自分の体に常に刺激を与えることで、柔軟な思考力を維持しやすいのがスタンディングデスクの良いところです。
木材や観葉植物で知的創造性が高まる

視野角120°以内に10〜15%を占める観葉植物があると、人間のパフォーマンスが高まります。
ストレス低減効果や疲労の軽減効果を持つ植物が、人間の副交感神経を優位にし、落ち着いた気持ちで仕事に取り組めるようになるようです。
また、ひらめきや直感を司る右脳への良い影響もあるようで、知的創造性の高まりが期待されます。
詳しくは、メガネのJINS執行役員である井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』をご参照ください。
怠惰な時間を作る
米国の社会心理学者デヴォン・プライスの著書『怠惰なんて存在しない』では、「怠惰」は人間にとって必要不可欠なものとして肯定されてます。
資本主義化に伴い、怠惰でいることや生産性が低いことは悪として捉えられています。この風潮は社会的なものであり、「怠惰のウソ」と名づけています。
しかし、人間は機械やロボットではないので時折休憩したり怠惰になったりすることが必要である、というのが著者の主張です。数々の既往研究とともに、怠惰のウソに振り回されない生き方を提案している本です。
先述の生産性の式で考えると、罪悪感を感じることなく怠惰な時間を確保することで、結果として作業だけを続けるよりも多くのアウトプットを出せるようになるとも考えられます。
スタンディングデスクを導入して「立つ」「座る」を切り替えてみたり、2台目のデスクを導入して「仕事用」「リラックス用」と使い分けてみたりと、デスク環境として取り組めることがたくさんあります。
スタンディングデスクで時間を有効活用できる
デスクに向かっている時間が、生産性のベースとなっています。

ただし、ただ単にデスクに向かう時間を短くすれば良いというわけではありません。有効活用、つまり上手に時間を使うことが大切です。
集中する時は集中する、休憩するときは休憩する。メリハリのついた時間の使い方が大切です。
「立ち疲れ」が実質ポモドーロタイマーになる
先の大林組技術研究所とお茶の水女子大学の共同研究によると、被験者のスタンディングデスク使用時の平均立位維持時間は24.6分、平均座位維持時間は38.2分でした。
つまり、スタンディングデスクを立位=「立ち状態」で使用すると、約25分で座りたくなるのです。「足が疲れるまで頑張るぞ」という目標を持って仕事等に取り組めば25分間で集中することができます。
25分の作業と5分の休憩を繰り返す技術を「ポモドーロ・テクニック」と言います。試したことがある方は経験があるかもしれませんが、時間通り25分と5分を繰り返すことは、至難の技です。「もっと作業したい」「もっと休憩したい」と思い、時間超過してしまうからです。
スタンディングデスクを使えば、時間を計らなくても「立ち疲れ」を利用して“ほぼ”ポモドーロ・テクニックを実践することができます。
「座る」ことに意味が生まれる
「立つ」という選択肢があると、「座る」ことにも意味が生じます。
立って作業をしていると、全体重は足にかかるため、足が疲れやすくなります。「足を休めるため」という目的で座ることができます。逆に、座ると体重の大部分は腰にかかります。腰を休めるために再び立ち上がることができるようになります。
まるで、甘いお菓子としょっぱいお菓子を交互に食べるように、「立つ」と「座る」を繰り返すことができます。
もしくは、集中した作業は立って行い、「休憩のため」に座るのもアリだと思います。
ただずっと座り続けるよりも、飽きずにデスク時間を楽しむことができるのも、スタンディングデスクの魅力の一つです。
スタンディグデスクで疲れを溜めない
疲れたらしっかり休むべきですが、そもそも疲れを溜めない工夫は大事です。
テキサスA&M大学の研究によれば、スタンディングデスクは首や肩の不快感を軽減する効果があるようです。通常のデスク・チェアを使用したグループでは80%が首や肩の不快感を示したのに比べて、スタンディングデスクを使用したグループはその割合が51.7%でした。
同様に、米国ミネソタ州ミネアポリスの企業で行われた実験では、スタンディングデスクを使用した従業員の54%が首と背中上部の痛みが軽減されたと回答しています。
昇降可能なスタンディングデスクは、自分の目線の高さにあわせて調整することができます。規格化されたデスクと異なり、自分だけに合った調整ができることによって首周りにかかる負担を減らせます。
引用 Stand-Capable Workstations Reduce Occupational Sedentary Time Among Administrative Workers
引用 Reducing occupational sitting time and improving worker health: the Take-a-Stand Project, 2011
生産性向上のためのスタンディングデスクの選び方
結論、スタンディングデスクを導入することで、デスク時間の生産性を向上させることができます。
では、どのようなスタンディングデスクを選べば良いのでしょうか。
“電動”かつ“昇降”のデスクにすること
生産性向上のためには、「立つ」と「座る」を1日に何回も切り替えられるようにする必要があります。
そのため、そもそも昇降可能なタイプである必要がありますし、ストレスなく昇降するためには電動にすべきです。
昇降式ではなく固定タイプや卓上タイプのデスクは、高さを上下に微調整することができません。また、電動式ではなく手動式やガス圧式のデスクは、そのうち昇降が億劫になってしまいますし、ボタンひとつで高さを設定できる便利さには敵いません。
電動昇降式のデスク、一択なのです。
品質とコスパで選ぶならこの電動昇降デスク
デスクの良いところは、ネットで注文して組み立てれば、2〜3日で環境が整うところです。
次の手順で選べば、品質・コスパとも間違いありません。私が使用しているデスクもこの買い方をしています。
