日本の建築基準法では、「住宅の居住のための部屋には、採光・換気ができる窓を設けなさい」と定められています。(色々省略していますが)
つまり、デスクを置くような部屋には、ほぼ必ずある程度の大きさの窓があるのです。
その窓とデスクの位置関係(向き・距離)にはいくつかのパターンがあり、デスク環境に与える影響が異なります。
向きが3パターン、距離が2パターンあるので、合計6パターンの位置関係があるといえます。
※実際には、窓が複数ある部屋、屋根に窓がある部屋など、無限にバリエーションがあります。まずは一旦シンプルに、デスク一つと窓一つの位置関係を考えます。
窓とデスクの向き
デスクに対してどの向きに窓があるかを考えます。一般的な長方形のデスクなら、①正面、②背面、③側面の3パターンがあります。
正面に窓
窓を正面にして座る、とても一般的な配置です。開放感を得たい人や、オンライン会議が多い人に向いているかもしれません。
窓の形状や外の環境によっては、向かないケースもあります。
メリット
- 屋外を正面に見渡せるので、開放的な気分になりやすい。
- 正面から自然光が当たる。Web会議・面談などの際、顔に陰影が出来にくく、表情が綺麗に映る。
デメリット
- 眩しかったり、外の景色が気になったりと、気が散る要因になりやすい
- 窓の外が通路や隣家の場合、視線が気になりやすい
背面に窓
窓を背後にして座る配置です。少し珍しい配置かもしれませんが、いわゆる社長室的なイメージです。
メリット
- 窓に背を向けるので、外を見て気が散ることは少ない
- 窓が屋外に通じていても、デスクが出入りの邪魔になりにくい
デメリット
- 屋外の景色が見えにくく、開放感は少ない
- 窓からの自然光を自分の身体で遮るので、デスク上が影で暗くなりやすい
側面に窓
窓が身体の横に来るように座る配置です。正面と背面の中間的な特徴があり、一般的な配置の一つです。最も実用的かもしれません。
メリット
- デスクを向けば屋外が視界に入りにくく、横を向けば屋外が見える
- 利き手の逆側に窓があれば、自然光でデスク上を明るく保つことができる
デメリット
- 利き手の逆側に窓があると、デスク上に影を落としやすい。
窓とデスクの距離
もう一つ、窓とデスクが近いか遠いかという距離の観点があります。
これは近いか遠いかの2パターンですね。
近くに窓
向きにかかわらず、窓の近くにデスクを配置するパターンです。採光・換気という本来の窓の役割を最大限に活かすことができます。
メリット
- 自然光や通風の恩恵を受けやすく開放的
デメリット
- 夏の暑さ・冬の寒さの影響を受けやすい
- 窓が屋外に通じている場合、その動線を塞いでしまう可能性がある
遠くに窓
窓から離してデスクを配置するパターンです。良い意味で「窓の影響を受けにくい」配置と言えます。
メリット
- 日射や冷気の影響を受けにくく、比較的安定した環境を保ちやすい
デメリット
- 屋外に近いことで得られる開放感は少ない
窓の向き×距離
結局、窓の向き3パターン×距離2パターンで6パターンがあります。
窓以外の要因
デスクの配置は、様々な要素が絡んで、複合的に決まります。
窓以外にも、ドアや壁や部屋そのものがその要素となります。