ちょうど1年前に購入し、今も引き続き愛用している財布「Hitoe Fold Aria -Foschia-」が好きすぎるので、勝手にレビューします。
好きなところ、気になるところを率直にメモしました。購入を検討している方のご参考になれば幸いです。
※「Hitoe Fold Aria レビュー」でGoogle検索上位ですが、残念ながら案件ではありません。。。
SYRINX合同会社さま、案件お待ちしています!
「Hitoe Fold Aria -Foschia-」とは
SYRINX合同会社が製作・販売している、薄い財布です。
売り文句通り、「機能美」が体現された製品と思います。
Hitoeシリーズにはいろいろと種類があり、特に人気の「Hitoe Fold」シリーズは、次の3種類です。
Hitoe Fold – Loscio – | Hitoe Fold Aria – Foschia – | Hitoe Fold Less – Foschia – | |
---|---|---|---|
革 | 一枚革 | 薄い革の貼り合わせ | 薄い革の貼り合わせ |
寸法 | 86mm×89mm | 89mm×91mm | 89mm×89mm |
重量 | 36g | 30g | 29g |
最大容量 | 紙幣15枚 カード7枚 硬貨20枚 | 紙幣15枚 カード6枚 硬貨20枚 | 紙幣15枚 カード3枚 硬貨15枚 |
中でも「Hitoe Fold Aria – Foschia -」はバランスの良い製品で、公式HPにもフラッグシップモデルと謳われています。
私の好きなキーボード「Keyball」シリーズで例えると、「Keyball44」に相当するのかもしれません。
なお、Foschia(フォスキーア)シリーズは6色展開です。私は茶色が好きなので Misty Chocolate を選びました。 Misty Iris (紫系)もすごくよい色なので迷いました。
好きなところ
1年間使用して「ここが好きだ!」と思ったところを、率直に書き連ねます
合理的な形状
「硬貨」と「カード」が並び、それらを「紙幣」で挟み込むという合理的な構造です。
他社製品を調べると、類似の財布はいくつかあるらしい。でも、金具やチャックがあったり、収納力が無かったりするので、個人的にはイマイチでした。
一方この製品は、紙幣用の札押さえが財布自体の留め具を兼ねているなど、とにかく無駄がない。革を重ねる向きにまでこだわっているようです。
非常に機能主義的、まるで近代建築のような財布で、アメリカの建築家ルイス・サリヴァンの「Form ever follows function(形態は常に機能に従う)」という言葉を思い出します。
この製品を手掛けている代表が建築家というのも実は好きなポイントです。形状の1つ1つに意味を感じられ、非常に納得感のある財布だなと思います。
薄さに特化している
この財布は、「薄い財布」です。
ミニマルな財布は「薄い財布」と「小さい財布」の2種類に分類できると思います。
- 「薄い財布」は、硬貨とカードの厚さが制約となり、厚さ10~15mm前後に収束。紙幣は2つ折りまたは折らないものが多い。
- 「小さい財布」は、カードのサイズが制約となり、約54mm×86mm程度に収束する。紙幣や硬貨を重ねると厚くなり、紙幣は3つ折りをすることが多い。
個人的には、お札を3つ折りしたくない点と、ポケット等に入れる際にボコッと形が出るのが好みではないので、「薄い財布」の方を選びました。
金具レスで長く使える
多くの他社製品には、凹凸の留め具やチャックなど金具が使われています。
一般に、異素材の組合せは、劣化の要因となりやすいです。例えば、洋服かカバンはボタンやチャック周りから壊れやすいように。建物でいうと、たいてい接合部から雨水が侵入して雨漏れが起こります。(薄いと雨水をかけてます)
その点、金具がないこの財布は、劣化や型崩れをしにくいと言えます。財布を長く使いたい私にとっては大きなポイントでした。
革の変化を楽しめる
購入時は白みがかった革ですが、1か月、2ヶ月と使用するうちにだんだんと艶が出てきます。この過程を楽しめるのも、革製品の良さだと思います。
1年も経つと、素晴らしきテカリを纏うようになります。
植物タンニン鞣しのオイルレザーをホワイトワックス加工した革で、まるで朝もやのような表情が特徴です。
SYRINX 公式HP https://syrinx.audio/products/hitoe_fold-aria より引用
使うほどにワックスが浸透し、透明感のある表情があらわれます。
使用する鞣材には、南米原産のマメ科の「タラ」の実を使用しています。希少で高価ですが、植物タンニンの中では最も色が淡いので発色が美しく、耐光性のある仕上がりです。
4本の縫製が丁寧で美しい
縫製がたった4本しかありません。
革の端ギリギリを這うような丁寧なステッチは、必要十分な長さで施されています。
ここにも「機能美」の精神を感じます。
右利き用・左利き用がある
日本人の約10%は左利きと言われています。
私自身は右利きですが、なぜか周りには左利きの友人が多いのです。
左利きの友人にも気兼ねなく勧められるのは、とても嬉しい点です。
カードの収納力がある
「Hitoe Fold Aria – Foschia -」はミニマルでありながら、6枚程度のカードを収納できます。
一方、同シリーズの「Hitoe Fold Less – Foschia -」は、さらに薄い分、カード収納枚数は3枚に限られてしまうのです。
ここは好みが分かれるところですが、私はカードの収納枚数の多さを重視し、6枚入る方を選びました。
次のようなカードを収納しています。
- クレジットカード×2
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- 健康保険証
- 病院の診察券
ちなみに写真のカードがこの財布に相性抜群で、金色の「VISA」の文字がチラ見えしてカッコいいです。三井住友カードゴールド(NL)なら金色、三井住友カード(NL)なら銀色の文字が見えます。
気になるところ
もちろん、1年間愛用しているだけに、正直気になるところもあります。
札抑えの形が浮き出る
写真上側、裏に札押さえがある部分は、革の枚数が多いので厚みがあります。
そのため、どうしても札押さえの形、斜めの線が浮き出てしまうのです。
使い方によるところもあると思いますが、フラットな外見を保てるようになると嬉しいと感じます。
キズはつく
革製品の宿命ですが、どうしてもキズはつきます。
特にカバンの中で、スマホやポーチとこすれ合うことは、キズの原因となります。
ただ、キズも含めて革の風味であり、自分だけの財布を育てている感覚を持てるので、個人的にはデメリットよりメリットが大きいです。
水に弱い
これも革製品の宿命ですが、水には弱いです。シミができます。
とはいえ、雨の中、カバンみたいに頭の上に載せて傘代わりにすることは滅多にないはず。
気を付けるのは、グラスの結露と御手洗の後くらいです。
グラスの結露対策には、二重グラスがおすすめです。
御手洗後の手は、、、ちゃんとハンカチで拭きましょう!
新品と1年間使用後の比較
ギャラリー的に、購入時と1年間使用後の写真を比較します。
新品購入時
表面の革は白い靄がかかったような状態。
革はやや硬く、中央部が少し膨らんだ形をしています。
内側は小銭の跡やシワが無い状態です。
1年間使用後
表面にテカリや傷が生じ、色づいて、革らしく育っています。
革が柔らかくなったせいか、直線的で、当初より財布自体が薄くなりました。
小銭収納部には小銭の跡やシワが生じます。カード収納部はそれほどシワが付きません。
さいごに
「薄い財布」としては、最も合理的でミニマルな財布の一つだと思います。
公式HP:https://syrinx.audio/products/hitoe_fold-aria
途中で触れた「薄い財布」と「小さい財布」の話は、こちらで少し書いています。