デスクにまつわる悩みとして、次のようなものがあります。
形や大きさを変えられない…
日々の掃除や模様替えが大変…
引越し・処分時の運搬が大変…
その要因は、デスクが基本的に大きくて重いから。デスクを代表例として挙げましたが、ベッドや棚など大きくて重い家具全般に同様のことが言えます。
そんな悩みは、「可変性・可動性・可搬性」というキーワードで改善するかもしれません。
この記事では、デスクを通じて家具の「可変性・可動性・可搬性」について考えていきます。
「可変性」とは
変形できること、変更できることを「可変性」とします。
私たちの生活や使い方は年月とともに変化します。その時間経過に柔軟に対応できるかどうか、という観点で重要な考え方です。カスタマイズ性とも言えます。
デスクの可変性
まずはデスクを題材にして考えます。
デスクの可変性としては、次のような特徴が考えられます
- 昇降式デスクで高さを変えられる
- 座る/立つの使い方を変えられる
- 天板を拡張して広さを変えられる
- 天板を畳んでコンパクト化できる
- デスクシェルフを置いたり置かなかったりできる
高さを変えられる昇降式デスク
家具の可変性
デスク以外の家具でも、可変性はメリットになります。
- 棚…収納量に応じて幅や高さを変えられる
- モニターアーム…角度や高さを変えられる
- ソファ…ソファにもベッドにもなる
- こたつ…こたつにもテーブルにもなる
関節を動かして変形できるモニターアーム
収納量に応じて変形できる棚
「可動性」とは
容易に動かせることが「可動性」です。部屋の中での移動や、位置の微調整といった、日常的な移動ができるかどうかという視点です。
デスクの可動性
こちらもまずはデスクから考えます。デスクに可動性があると、デスク周りのレイアウト変更や、掃除の時の位置ずらしがしやすくなるメリットがあります。
デスクの可動性としては次のいずれかで決まるでしょう。
- キャスター付きで移動できる
- 手で持ち上げられるくらい軽い・小さい
キャスターで移動できるデスク
家具の可動性
デスク以外でも、上記の特徴を備えた、可動性のメリットを享受できる家具があります。
- デスクワゴン
- 棚
- テレビ台
簡易なデスクワゴン
テレビ台も動く時代
「可搬性」とは
運搬できること、しやすいことを「可搬性」とします。部屋をまたいだ移動や引越しなどの運搬時に重要な観点です。
デスクの可搬性
複数の面で構成・連結・固定されたようなデスクは、運搬する際の手間・費用が大きくなります。その逆が可搬性です。
可搬性のあるデスクとは、次のようなものです
- 折り畳み式である
- ネジやボルトを外して容易に分解できる
- いくつかのパーツに分割できる
脚を単独で取り外し、折り畳めるデスク
家具の可搬性
デスク以外でも、上記の特徴を備えた、可搬性のある家具があります。
- 天板とフレームを分解できる棚
- 折り畳み式すのこベッド
- 分割式マットレス
三つ折り(三分割)スノコ
三つ折り(三分割)マットレス
上で紹介したスノコとマットレスは、いずれも三分割できるので、一つずつ運べば自家用車で簡単に運べます。
可変性・可動性・可搬性の関係性
可変性・可動性・可搬性は、それぞれすこし重なっている概念で、明確な境界は無いように思います。
- 家具を容易に動かせる(可動性がある)と、部屋の間取りや使い方を変えられる(可変性がある)
- 家具や部屋を変形できる(可変性がある)と、どんな形の部屋でも対応できる(可搬性がある)
- 運搬しやすい(可搬性がある)ということは、そもそも動かしやすい(可動性がある)
身軽に暮らすために
ここまで「デスク」を通じて「家具」を考えてきましたが、さらに対象を広げて「モノ」全般について考えてみます。
モノに対して主体的になる
次々に色々な製品が販売され、モノが溢れる社会のなかで、私たちはモノに翻弄されている側面があるのではないでしょうか。
最小限しかモノを持たない人を「ミニマリスト」と呼びます。個人的にはとても憧れる一方、なかなか実現するのは難しいと思ってしまいます。
モノを持ちつつも、少しだけ身軽でいられる方法があると私は思っていて、その方法の一つが「可変性・可動性・可搬性」なのだと思います。
なぜなら、モノに対して主体的になれるからです。いつでもモノを「変えられる」「動かせる」「運搬できる」という感覚を持てるため、モノに翻弄されにくくなります。
身軽に暮らすために、「可変性・可動性・可搬性」を少しだけ気にしてみると良いかもしれません。